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球磨の大地で育つなつかしい香りと甘さ、プリンスメロン

JAくま プリンスメロン

定植から収穫まで、腰をかがめての作業が続く。

ビニールハウスの中に漂う、プリンスメロン独特の香り。プリンスメロンづくり歴30年の深水久士(ふかみひさし)さん(54歳)は、腰をかがめて一つずつ収穫していらっしゃいました。奥様の美砂江(みさえ)さん(55歳)とともに、毎朝7時から作業に精を出します。
土作りは、11月初め頃から始まります。連作障害を避けるため毎年畑を変えながら、20アールの畑に6トンもの牛フン主体の完熟たい肥を入れることで十分な地力をつけ、さらに稲ワラをかぶせることで、地温を高い状態に保ちます。11月の終わり頃になると畝(うね)作りをし、低温対策のために苗を覆うビニールを取り付けます。その後、苗を定植し、温めた水をひと苗ごとに手作業でかけることで、根付きをよくします。葉っぱに水滴がびっしり付くようになると、根が地中奥深くまで伸び、ちゃんと根付いた証拠。黄色い花が咲き始めたら、ハウス内の温度をさらに上げ、手作業で交配します。交配が終わると雌花の下の方が少しずつ膨らみ、いよいよメロンの成長が始まります。

熊本県産プリンスメロンの成長

とにかく惜しみなく手をかけること

収穫時期の10日前になると水分を与えるのをやめ、甘みを十分に乗せていきます。この時期は特に、メロンにまんべんなく光が当たるように、つるを整えながら不要な芽や葉を取り除いたり、メロンの下に白いマットを敷いて、外皮が焼けないように気をつけます。「玉に一番近い葉っぱが茶色に枯れ、おしりの部分にひびが入ったら、メロンに甘みや香りが十分に乗った合図。いよいよ収穫です」と深水さんは語ります。「メロンを甘く、大きく育てるためには、惜しみなく手をかけることが大切です。この30年、先輩から教えてもらったり、仲間と一緒に勉強したり、試行錯誤を繰り返しながらやってきました。毎日の作業は大変ですが、長年育ててきたプリンスメロンは、子どものようなもの。愛情を持って育てています」。
収穫前の時期になると、JAの指導員がビニールハウスを訪れ、糖度や玉の大きさなどをチェックし、出荷の時期を見極めます。収穫されたメロンは、汚れをきれいに落とした後、選果場に運ばれ、糖度14度以上の選ばれたメロンだけが、全国へと出荷されます。球磨の大地に汗を流す生産者の努力とこだわり。その思いが結実し、みずみずしく香り高い甘さのプリンスメロンが生まれるのです。

真冬は、マイナス8度になることも!
盆地ならではの寒暖の差が、プリンスメ ロンならではの香り、甘さ高める。

現在の天皇が皇太子の時、ご成婚にちなんで名付けられたといわれるプリンスメロン。その独特の香りと甘さは、特に団塊の世代の中にはなつかしいと感じる方がいらっしゃるかもしれません。熊本では、昭和30年代に試作が始まったプリンスメロンですが、ここ人吉球磨盆地では、昭和50年代から本格的に栽培がはじまり、今では熊本県随一の産地となっています。真冬の夜はマイナス8度まで下がることもあり、昼夜の寒暖の差が激しい人吉球磨地方。盆地特有の気候が、プリンスメロンの豊かな香りと強い甘みをはぐくみます。プリンスメロン栽培風景と花

先人から受け継ぐ
かけがえのない水で。

交配後2週間は、メロンを大きくするために、球磨川源流から引いた水をたっぷりと与えます。この水は、300年前に球磨の農民たちが山や原野を開墾して作った用水路「百太郎堰」(ひゃくたろうぜき)を利用した水です。かつて水に恵まれなかったこの地で、先人たちが命がけで築いた用水路が今もこの地を潤し、プリンスメロンの恵みをもたらします。「プリンスメロンを育てるのは、とても手間がかかります」と語る深水さん。プリンスメロンは、ほかのメロンに比べて、生命力が強いことから、どんどんわき芽が出てくるのだそうです。出てきたわき芽や、必要のない雄花を毎日手で摘み取ることにより、選ばれたメロンのみを育ててゆきます。また、苗を覆うためのビニールは、3重構造になっていて、日中は太陽の光がまんべんなくあたるよう覆いを外し、夕方近くになると夜の寒気に備えて、苗を覆います。病気を防ぐためのハウス内の換気や消毒、施肥など、日中は30℃を越えるハウス内での作業は、重労働です。プリンスメロンづくり歴30年の深水久士(ふかみひさし)さんと深水美砂江(ふかみみさえ)さん

JA熊本くま
http://www.ja-kuma.or.jp/

取材日 平成25年4月11日