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「みずみずしい果実、熊本の清らかな水」のイメージから名付けられた熊本生まれのブランドイチゴ「ひのしずく」。大粒で鮮やかな色合い、そして酸味の少ないとびきりの甘さで、全国にファンが多く、ブランドイチゴの中でもトップクラスの品質です。11月下旬から翌年の5月まで、関東、関西を中心に出荷されます。

イチゴの形にこだわらず、ミネラル
バランスや糖度などをひたむきに追究

熊本県は、生産量全国第3位のイチゴの産地。なかでも「日本名水百選」菊池渓谷のある菊池市は、イチゴ栽培に適した地域の一つです。取材に訪れた日、菊池川の近くにあるビニールハウスの中では高橋正信(まさのぶ)さん(72歳)と奥様の成子(しげこ)さん(66歳)が収穫の作業中でした。

JA菊池ひのしずく農家 高橋正信(まさのぶ)さん 成子(しげこ)さん
かつて菊池地域のイチゴ生産者の多くは、「とよのか」という品種を生産していました。その後、熊本県農業センターが9年をかけて「ひのしずく」を開発。平成16年に本格的に栽培を始めてからも、JA菊池の指導員と生産者の皆さんは、ひのしずくの特徴をより引き出すために、土壌や気温など、菊池の季候・風土に合った栽培方法を追究しました。「 “とんがり帽子の円すい形”というそれまでのイチゴの形にこだわらず、ずんぐりむっくりしていても、ぎゅっと詰まった濃厚な甘さと大きさを生み出すために、試行錯誤を繰り返しました」と語るのは、JA菊池園芸特産課の井餘田賢(いよたけん)さん(38歳)。生産を始めて今年で10年。香り高く、甘みの強い大玉イチゴを作るために、一つの苗から収穫するイチゴの数やミネラルバランス、糖度に至るまで、仲間とともに工夫することで、高い品質のひのしずくが栽培できるようになりました。
JA菊池園芸特産課の井餘田賢(いよたけん)さん(右)と正信さん

土作りから摘み取りまで、
細やかな手入れ管理を欠かさない

【まず土作り、そして苗作り】
一年を通して、細やかな手入れを必要とする
「ひのしずく」。まずは、イチゴに栄養分がしっかりと行き渡るように、5〜8月にかけて土壌に太陽熱処理をほどこし、有機肥料やワラなどの栄養分をたっぷりとすき込みます。一方で、苗作りにも大きなこだわりが。根がしっかりと張るように、土を柔らかくほぐし、大きめのプランターで育てることで、玉子のLサイズほども

ひのしずくの苗
湿度管理・日本ミツバチによる受粉 【優しく玉出しを。待ちに待った収穫へ】
ある程度の大きさに育ったイチゴは、果実が傷ついたり、葉っぱの影にならないように、ふわふわのマットの上に「玉出し(※)」されます。太陽の光を全面に浴び、真っ赤に色づいたひのしずく。甘い香りがハウス内に漂い始めると、十分に糖度が乗ったものだけを、「ゴロゴロ」と呼ばれる収穫用の台車に乗り、一つずつ手摘みで収穫します。「手をかけた分だけ、イチゴはきちんと応えてくれるんですよ」と正信さんは語ります。 ひのしずく収穫の様子

あるイチゴをしっかりと支えるクラウン(株の部分)を太く、強くしていきます。成長した苗は、5日間ほど16度の低温状態に置く「株冷(かぶれい)処理」を行ってから植えると、花芽の育ちがぐんとよくなるそうです。

【いよいよ定植。交配後はイチゴに甘みを乗せていく】
9月には菊池地域のひのしずく生産者たちが、協力しながら定植。定植後一週間は、「水分計」で土壌の水分量を計測しながら、細やかな水やりが欠かせません。花芽がつくと、イチゴの株がたくわえた栄養分を使ってしまわないように、つぼみのうちに芽を摘む「摘蕾(てきらい)」を行った後、選ばれた花芽に日本ミツバチによる受粉を行います。その後も水分量や温度の管理、不要な葉を取り除くなど、細やかに手入れし、一株に7個のイチゴをならせます。シーズン中に3850キログラムのひのしずくを出荷する正信さんは、「さまざまな有機肥料を試しましたが、化石サンゴやサトウキビの糖蜜(とうみつ)などを組み合わせて与えると、それにこたえるように、ヘタのぎりぎりのところまでしっかりと甘みをたくわえるんです」と語ります。

玉だし

手間を惜しまず
心をこめて作り続ける。

500m2の苗用のハウスと、960m2の収穫用のハウスで、毎日7時から作業を行う高橋さんご夫婦は、イチゴ生産歴30年のベテランです。「10年前、初めてひのしずくを食べたときに、濃厚な甘さにびっくりしました。人生をかけて作りたいと思えるイチゴに出会えて、本当に幸せです」と語るのは、奥様の成子さん。「より多くの人にこのおいしさをお届けできるようにもっともっと努力していきたいですね」とお2人は語ります。

※完 着・・・完全に色が真っ赤に着色すること
※玉出し・・・葉陰の下にイチゴが隠れないようにし、通気性の良い柔らかなクッション材の上で、まんべんなく太陽の光を浴びます。

JA菊池
http://jakikuchi.jp/

取材日 平成26年12月15日