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畑の風景〜いのち育む JAくま きゅうり農家 愛甲智則さん ひろみさん

熊本県南部にあり、市房山(いちふさやま)をはじめとする雄大な九州山地に囲まれた球磨盆地。清流球磨川が流れるこの盆地の東部に位置するのが、球磨郡多良木町です。多良木町は、先人たちが築いた農業用水路と、適度に寒暖の差がある盆地特有の風土を活かし、西日本一のきゅうりの産地として知られています。この地で代々農業を営む愛甲智則(とものり)さん(52歳)と、妻のひろみさん(55歳)に、先人たちへの感謝の思いと、きゅうりづくりに懸ける意気込みを伺いました。

早朝の日差しを受けて輝くきゅうり。

「球磨の奥座敷」と呼ばれ、四方に美しい山並みをのぞむ球磨郡多良木町。のどかな田園風景に囲まれた愛甲さんのビニールハウスでは、早朝から愛甲さんご夫婦と息子の真慈(しんじ)さん(29歳)が、収穫作業に追われています。(取材当日は、残念ながら真慈さんは農業者青年の集まりで不在でした)。緑の葉と可憐な黄色の花の間にぶらさがり、つやつやと輝く濃緑色のきゅうり。ていねいに収穫されたみずみずしいきゅうりは選果場に運ばれ、等級ごとに分けられた後、九州各県や中国地方などに送られます。夏秋きゅうりの出荷は、11月ごろまで続きます。

早朝の日差しを受けて輝くきゅうり
JAくま きゅうり農家 愛甲智則さん ひろみさん

水路「幸野溝」(こうのみぞ)

清らかな水の恵みと
先人たちが残した礎(いしずえ)。

愛甲さんが、妻のひろみさんとともに、きゅうりづくりに取り組んで30年。「きゅうりは、夜中に栄養分を実に行き渡らせます。日が落ちると、山から冷気が下りてひんやりと涼しくなるこの地は、きゅうりの成長にとても合っているんです」と、智則さんは語ります。しかし、この地のきゅうりがおいしい理由は、これだけではありません。
  江戸時代、この一帯は手つかずの荒れ地だったと言われていますが、300年ほど前に「幸野溝」(こうのみぞ)と「百太郎堰」(ひゃくたろうぜき)という2つの水路がつくられたことで、今も清らかで豊かな水がこの地を潤しています。「球磨川の源流から引かれた豊かな水路などのおかげで、先祖代々、水に感謝しながら農業を続けることができています。ありがたいですね」。


心をつないで。

「台風対策や、細やかな温度、水分管理など、天候と折り合いながらの毎日です」と語る智則さん。「より一層おいしいきゅうりを、消費者の方に届けたい」と、地域のきゅうり部会長や農業委員なども務め、地域農業のリーダーとして、町の元気を仲間と共に支えています。両親とともにきゅうりづくりに励む息子の真慈さんも、後輩農家の相談に乗るなど、仲間との絆を深めながら、若い世代が安心して農業が続けられるような取り組みをすすめています。智則さんは「先人たちが残した礎に感謝しながら、次世代へ技術や心をつないでいきたい」と語ります。

息子の真慈(しんじ)さん

JAくま
http://www.ja-kuma.or.jp/

取材日 平成22年8月25日