一つ一つ確かめながら鮎釣りが解禁したばかりの6月の緑川は、太陽の光を受けてきらきらと輝いていました。川の西側に位置する広々とした大地では、スイートコーンだけでなく、麦やブロッコリーなど、さまざまな作物が豊かに実っています。川風を受け、青々とした葉を揺らすスイートコーン畑では、真剣なまなざしの長野さんが、実の入り具合を一つ一つ指で確かめながら、収穫作業の真っ最中。露地栽培のスイートコーンの収穫時期は、6月の約一カ月程度ですが、朝5時頃から畑に出て、毎日1000本以上ものコーンを出荷する忙しい毎日です。 細やかに手をかけて高校を卒業した長野さんは、自然相手の仕事の大変さを実感したと語ります。「どんなに手をかけて育てても、最後は天候と折り合いながらの仕事。マニュアル通りにはいきませんね」。天候の影響を受けやすい露地栽培のスイートコーンは、細やかな作業が欠かせません。まだ肌寒い3月に定植した後は、朝霜から守るためにトンネルをかぶせたり、170センチほどの高さに伸びる茎をしっかりと支えることができるよう、根を張らせるために、畑を深く耕すなど、スイートコーンにとって最適の環境を整えます。 収穫後はできるだけ早く消費者の皆さんへ受粉をした後は、虫が好む雄穂をすぐに刈り取り、害虫が来るのを防ぎます。実が太り、絹糸が黒褐色に色づいてくると、うまく受粉した証拠。その後、水やりなどの作業を続けながら30日ほどして実がしっかり詰まってきたら、朝の涼しい時間に収穫します。 |
祖母、母と共に生産者としての一歩を甲佐町では、以前からとうもろこし栽培が行われてきました。かつては「アルテミス」と呼ばれる白と黄色が混じったとうもろこし栽培が盛んでしたが、生でもおいしく食べることができるほど糖度の高い(約17度)新品種「味来(みらい)」が作られるようになったのが15年ほど前。当時、メロンや野菜などを生産していた祖母の紀久子(きくこ)さん(79)と和代さんが、本格的にスイートコーンの栽培を始めたのもちょうどこの頃でした。長野さんはその5年後に高校を卒業し、祖母、母と共に、スイートコーン生産者としての一歩を踏み出しました。![]() 1本のスイートコーンを作るために、
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JAかみましき http://www.ja-kamimashiki.or.jp/ |
取材日 平成27年6月4日 |