遠くに阿蘇外輪山をのぞむ熊本県大津町は、熊本県隋一の甘藷(サツマイモのこと)の産地として知られています。「どこにも負けない甘藷をつくりたい」と語るのは、この地で40年間、甘藷づくりに取り組んでいる中野信登(のぶと)さん(60歳) と妻のイツ枝(いつえ)さん(59歳) です。 大地に汗し、二人三脚で歩む。ホクホクとした食感と自然な甘み。大地の力をたっぷりとすくい取り、紅色に輝く熊本県大津町の甘藷は、出荷の最盛期を迎えています。甘藷農家の仲間たちと創意工夫を重ね、甘藷づくりに取り組む中野信登さんたちを訪れた日は、妻のイツ枝さんとともに掘り取り作業の真っ最中でした。 |
日本一の甘藷」を目指して3月の苗床作りから4月の定植、秋以降の収穫にいたるまで「手を休めたことはない」と語る信登さん。相手が自然であるがゆえに、40年の道のりは決して平坦なものではありませんでした。それでも、妻のイツ枝さんとともに大地と向き合い、消費者の皆さんに安心できる最高においしい甘藷をお届けしたいというお二人のひたむきな思いが伝わってくるようでした。「好きな言葉は努力」。寡黙な中に「シン」の強さを感じさせる信登さんと、明るく笑顔いっぱいのイツ枝さん。まさに大津の甘藷のように、ホクホク感を感じるあたたかいお二人でした。 JA菊池 |
取材日 平成21年11月13日 |